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タイ料理のステキをはじめ、食材やハーブ、文化など。タイの魅力を色々な視点から切り取ってご紹介。タイの空気が香るような情報をイラストとともにお伝えします。

画鋲

ココナッツミルクのお話(1)

ココナッツミルクのお話(1)

南国の風景にぴったりのココヤシ。
青い空と青い海に映える、背の高いその姿はよく知られていますが、
果実である“ココナッツ”もまた有名。
ココナッツの上部をカットして、
ストローで中のジュースを飲む光景が目に浮かぶ一方で、
このジュースがココナッツミルクだと誤解されることも
少なくありません。
 
ココヤシは捨てるところがない優れもの。
木は材木として家に、葉っぱはほうきに、
そして花の蜜からココナッツシュガーを得るだけでなく、
その実であるココナッツももちろんマルチに活躍。
 
ココナッツの外側はとても固い皮で覆われています。
その皮の内側にある、もじゃもじゃした繊維部分からは
ロープやたわしができあがり、
さらに内側にある固い殻は器や炭に大変身。
殻の中に入っている液体胚乳、つまりココナッツジュースは、
ごく若い実のうちはほんのり甘くさっぱりとした
スポーツドリンクのよう。
実が熟すにつれてジュースの栄養分が殻の内側に白く固まっていきます。
白く固まった部分は固形胚乳と呼ばれ、そのまま食べられるほか、
ココナッツミルクの原料となるのです。
さらにはココナッツミルクを絞ったカスですら肥料として活用されます。
 
タイ料理 合わせ調味料材として、頻度高く使われるココナッツミルクには、
一番搾りから三番搾りまであり、お料理によって使い分けられます。
完熟ココナッツの固形胚乳を削いで、
そのままギュッと絞ったものが一番搾り。
油分(ココナッツオイル)をたっぷり含んで濃厚なクリーム状なので、
お菓子作りによく使われます。
一番搾りを搾った後に水を加えて揉み込むと煮込み料理に向くニ番搾り、
同じようにもう一度搾ったものは三番搾りと呼ばれます。
タイカレーを作る時には、
はじめにニ番搾りで煮込んでから最後に一番搾りを加えることで
コクのある濃厚なカレーに仕上げるというように、
その使い方がお料理の仕上がりを左右するほどのココナッツミルク、
もっと知りたくなったでしょう?!

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ヤマモリのココナッツミルクは、漂白剤や保存料を使用していないので、安心・安全です。エスニックメニューだけでなく、スープやパンケーキなど、普段のメニューに牛乳の代わりとして使うのもおすすめ。

[イラスト]おおのきよみ:イラストレーター。1999年タイを拠点に7ヶ月間アジア各国を巡るスケッチ旅行に出掛け、帰国後、主に旅行関連の書籍で活動を開始する。現在も絵を描きながら旅を続け作品を発表している。著書に「おもちかえりアジア」(情報センター出版局)等。

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