ガパオごはんのお話
タイの首都バンコクはモダンな高層ビルや
巨大なショッピングモールが立ち並ぶ大都会。
でも、その足元には庶民的な屋台が数多くあり、
オフィスワーカーたちが食事をとる姿が日常的に見られます。
何を食べようか迷ったらとりあえずこれ! という人も多いほど、
屋台で人気のガパオごはん。正しくは“パッガパオ”と言い、
具材を「炒める(=パッ)」と「ホーリーバジル(=ガパオ)」
というタイ語を組み合わせた名前のメニューです。
“安い・美味い・早い”の三拍子がそろったガパオごはんは
まるで日本の牛丼のような存在。
発泡スチロールの容器に入れられ、
プリック・ナンプラーが添えられたお弁当スタイルのものを持ち帰り、
オフィスや自宅で食べることもよくあります。
ホーリーバジルは同じバジルでありながら
イタリア料理でおなじみのスイートバジルとは別物で、
さわやかで独特のエキゾチックな香りが強いハーブ。
加熱しすぎると香りも色も悪くなってしまうので、
美味しく仕上げるには強火でさっと炒め合わせることが重要です。
屋台ではガパオごはんを作るときに
唐辛子とニンニクを炒めた強烈な香りと煙が出るので、
近くを通りがかる人たちはむせたり、くしゃみしたりしてしまうんですって。
使われる具材は牛や豚・鶏のお肉だけではなく、エビ・イカ・魚、
ベジタリアンでも食べられる豆腐やキノコだけを使った
ヘルシーなものまで実に様々。
揚げたピータンや柔らかく煮た牛の角煮、魚のつみれなど、
調理前にひと手間加えたものを使うこともあります。
同じお料理でも、具材によって全く違うおいしさが楽しめるのです。
注文屋台では具材だけでなく、辛さや味付け、ご飯にのせるかのせないか、
トッピングの目玉焼きの固さをどうするかまで
お好みにカスタマイズすることができます。
いろいろと試して、自分だけのアロイ(おいしい)を見つけるのも
ガパオごはんの楽しみ方かもしれません。
鶏肉をナンプラーベースのソースで炒め、新鮮なホーリーバジルをたっぷり加えてピリッとスパイシーに仕上げました。目玉焼きを添えてどうぞ。