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タイ料理のステキをはじめ、食材やハーブ、文化など。タイの魅力を色々な視点から切り取ってご紹介。タイの空気が香るような情報をイラストとともにお伝えします。

画鋲

タイカレーの辛さの違いのお話

タイカレーの辛さの違いのお話

はっきりとした味付けと
たっぷりのハーブ&スパイスの使い方が魅力のタイ料理。
タイカレーやトムヤムクン、スパイシーなパパイヤのサラダなど、
辛い料理が多く存在することで有名ですが、実はそれぞれに
“辛さの違い”があること、ご存知でしたか?
 
すっきりとした刺激が人気のグリーンカレーはタイ語で
“ゲーン・キャオ・ワーン( = 汁物 + 緑 + 甘い )”。
たっぷりの生ハーブやドライスパイスと共に、
「生の青唐辛子(プリッキーヌ)」が
ふんだんに使われたフレッシュ&スパイシーな味わいです。
お料理の名前にわざわざ“甘い”という表現が入っているのは、
生唐辛子の辛さがすっと引き、
ココナッツミルクのマイルドな風味が活きるから。
 
対してレッドカレーは、グリーンカレーと同じ位に親しまれるカレー、
“ゲーン・ペッ( = 汁物 + 辛い )”
というタイ語からもわかるように、
“辛くないはずがない”カレーです。
グリーンカレーと同じようにハーブとスパイスはふんだんに、
辛さは赤唐辛子が生み出します。
辛さの特徴はその複雑さ。唐辛子は大きな品種と小さな品種、
更にはフレッシュなものと乾燥したものをブレンドして使います。
大きな唐辛子は鮮やかな色と甘みを、小さな唐辛子は香りと辛さを与え、
キレのよい生唐辛子だけでは表現できない
乾燥唐辛子の余韻の長い辛さがカレーの深みにつながります。
深さと複雑さ、レッドカレーはクールな大人好み、ツウ好み、
といえるかもしれません。
 
「マイ・ペッ、マイ・アロイ」とはタイ人がよく使う言葉です。
日本語にすると「辛くないとおいしくない!」。
辛さが魅力のお料理は、
辛さを避けて無理にマイルドにアレンジしてしまうと
魅力が半減するという意味です。
 
辛い!の奥にある味わいや豊かな香り、
違いを感じて「ペッ・アロイ(辛くておいしい)!」。
レッドカレーから始まる1歩先行くタイフードライフ、いかがでしょう?

タイカレー レッド

タイでは、グリーンカレーと並んで定番のレッドカレー。刺激的な辛さとタイハーブの爽やかな香りが食欲をそそります。タイ産マンゴーがとろけた濃厚な味わいです。

[イラスト]おおのきよみ:イラストレーター。1999年タイを拠点に7ヶ月間アジア各国を巡るスケッチ旅行に出掛け、帰国後、主に旅行関連の書籍で活動を開始する。現在も絵を描きながら旅を続け作品を発表している。著書に「おもちかえりアジア」(情報センター出版局)等。

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